性病と聞いても、一般の健康診断には項目が入らないし、馴染みが薄いものと感じている人は多いのではないかと思う。
ところが、私たち助産師という職業は、最も身近にその存在を感じながら働く仕事。机上の知識だけではなく、生きた情報なのだ。
婦人科においては、特に不妊治療や参加領域でルーチンとして検査を行う。
患者本人の健康のためならず、妊婦なら胎児の健康のため、そして私たち医療従事者の健康を守るため。
妊婦健診の項目の中には、梅毒、淋病、クラミジア、HIVなどの性病に関するものが必ず入っている。陽性に出た時にも、正しい知識を持ち、納得行くまで説明を受けて、冷静に判断して、治療を受けていただきたい。
性病に限らず、妊娠中は様々な検査を受けるが、どの検査においてもスタンスは同じである。
検査結果がひとり歩きして、本来は幸せと健康のための検査が悲しい結果をもたらしてはいけない。
自分で調べることは大事だが、偏った情報だけに囚われていたら、きちんとした判断ができないこともあることを忘れないでほしい。
性病の検査で心配があったら、そんな心配や不安を緩和するために私たち医療職がいることを忘れないでほしいと思う